愛犬の口臭は病気の危険サイン?気になる変化をチェックしよう!

愛犬の口臭は病気の危険サイン?気になる変化をチェックしよう!

人間と同じようにワンちゃんの場合にも、お口の健康はとても大切です。正しくケアを行なわないと、口内環境が悪化して虫歯や歯周病などになることも。愛犬が抱えている健康問題をいち早く発見するために、口臭を伴う犬の病気についてご紹介します。口臭の正しい知識に基づいて、ワンちゃんの健康状態を把握できるようにしましょう。

ワンちゃんの口臭の原因について

「からだの健康はお口から」とよく言われますが、人間と同じようにワンちゃんの場合にも、お口の健康はとても大切です。正しくケアを行なわないと、口内環境が悪化して虫歯になったり、強烈な口臭を放つようになる場合も少なくありません。

しかし、毎日歯磨きを行なっているのに、ワンちゃんの口臭に悩まされている飼い主もいます。いつもと同じように歯磨きを行なっているのに、最近特に口臭が強くなったと感じる場合には、重大な病気のサインである可能性もあります。

今回の記事では、愛犬が抱えている健康問題をいち早く発見するために、口臭を伴う犬の病気についてご紹介します。口臭についての正しい知識に基づいて、ワンちゃんの健康状態を把握できるようにしましょう。

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ワンちゃんの口臭の原因は実にさまざまです。例えば、質の悪いドックフードを食べていることが原因で、口臭が発生する場合があります。ドックフードを変更した際に口臭が悪化した場合には、ドックフードが関係して可能性は高くなります。

「動物性油脂」などの質の悪い油を使用していたり、着香料や合成酸化防止剤などの、添加物が大量に使用されているドックフードは、愛犬の腸内環境に影響を与えるので、口臭の原因になります。

また、酸化したドックフードを食べることによっても、口臭が強くなる可能性があります。いつでも食べられるように、フードボウルにドックフードを出しっぱなしにしておくと、酸化して品質が低下してしまいます。

特に、ウェットタイプのドックフードは、歯に食べカスが付着しやすく、開封後に劣化するスピードがドライタイプの商品よりも早いので、注意が必要です。ドライタイプのドックフードでも、開封したら一ヶ月以内に食べきるようにしましょう。

腸内環境の悪化が口臭の原因になっている場合もあります。胃腸の調子が乱れると、悪玉菌が増殖するために、口臭が発生しやすくなります。

特に消化器官が衰え始めている老犬は、このタイプの口臭が発生するケースが多く、若い時はあまり気にならなかったのに、加齢と共に口臭が強くなることもあります。

老化だけでなく、ストレスなどの心理的な影響や、食生活の乱れが腸内環境を悪化させることもあります。「フラクトオリゴ糖」など、腸内環境を整える成分が含まれるドックフードやサプリメントを食べさせることで、改善することがあります。

当然ですが、お口のケアを正しく行なわないと、歯石や歯垢が蓄積していき、口臭が発生する場合があります。犬は人間と比べて、歯垢から歯石へと変化するスピートが早いので、毎日の歯磨きをきちんと行なわないと、すぐに歯石が溜まりやすい傾向があります。

しかし、特に注意が必要なのが、内臓の病気など深刻な健康上の問題を抱えているために、口臭が発生している場合です。命に関わる深刻な病気もあるので、いつもと異なる口臭がする場合には、重大な病気のサインかもしれないと考えて、ケアする必要があります。

口臭が伴う病気について

dental treatment in dogs

では、具体的にどんな病気の可能性が考えられるのでしょうか。口臭が発生する病気についてご紹介します。

1.歯周病

歯周病とは、歯周病菌が影響して発生する歯茎の炎症です。細かく分類すると、歯茎の炎症は「歯周炎」、周囲の骨などにまで炎症が進んでいるケースを「歯周病」と呼びます。

大人のワンちゃんの多くが歯周病を発症していると考えられています。一説によると、3歳以上の犬の8割程度が歯周病であると言われています。しかし、歯周病は軽度の場合にはほとんど症状が表れないので、多くの場合放置されてしまいます。

歯周病の原因は

歯周病を発症する主な原因は、歯垢と歯石が蓄積することです。歯の表面は唾液の成分から成る薄い膜が覆っていて、歯を守っています。

しかし、そこに細菌が繁殖すると、粘性のある唾液の成分で歯に付着してしまいます。歯に蓄積した最近は、食べカスなどの糖分を栄養に増殖し続け、歯石になります。

歯石とは、歯垢が唾液のミネラル物質と合わさって硬くなったものです。歯垢は歯ブラシなどで簡単に落とすことが可能ですが、硬くなってしまった歯石は落とすことができません。

人間の場合、歯垢から歯石に変化するまでに、20日前後の期間があるのに対して、犬の場合には、3日から5日で歯石に変わってしまいます。

歯石が付着した歯は表面がザラザラしているので、歯垢が付きやすくなり、新たな歯石の蓄積を早めてしまうので、悪循環が生じます。

歯周病を発症している犬の口からは、生臭い口臭が出現します。これは、歯垢や歯石などの原因になっている糖分が分解される時に発生する臭いです。

歯周病を発症すると

歯周病の代表的な症状としては、口臭の悪化だけでなく、歯肉の腫れや赤み、歯のぐらつきなどがあります。また、口の中に痛みがあるので、硬い食べ物が噛めないなど、上手に咀嚼するのが難しくなります。

目の下や顎の周辺に腫れが生じたり、患部が破裂して穴があき膿が出てくることもあります。口の中の膿が鼻から出てくる「膿性鼻汁」が表れることもあります。

そうした歯周病によって生じる膿の中には、歯周病菌が多く潜んでいて、その菌が歯の根元に入り込んでしまうと、歯だけでなく歯を支えている顎の骨にも炎症が及びます。

そうした炎症によって、骨が溶けてしまうことも少なくありません。結果として、顎の骨が溶けてもろくなってしまい、転倒などの些細な事故で顎の骨を骨折してしまうこともあります。

進行してしまった歯周病を放置すると、お口の健康だけでなく、全身の健康にも大きな悪影響を及ぼします。

例えば、歯の根元に溜まっていた膿が血液に流れて全身に回ってしまうと、歯周病菌が全身にめぐってしまうので、40度を超えるような危険な発熱を引き起こす場合があります。

また、歯周病菌が血液中に流れ込むと、心臓や腎臓に炎症を生じさせる可能性があります。完治することが困難と言われている慢性心不全や慢性腎不全の原因となり、命に関わる病気を引き起こす場合があります。

歯周病の治療方法について

歯周病を発症している場合、一般的には抗生剤などを利用した投薬治療が行なわれます。しかし、人間の場合と同じように、犬の歯周病でも、一旦破壊された歯周組織を再生することはできません。

そのため、早期発見して、歯周組織の破壊がひどくない状態で治療を行うことが大切です。歯周病は歯肉の中で起きる病気なので、目視で症状を確認することが難しい病気です。見た感じ奇麗な歯をしていても、実は歯槽骨が破壊されているケースが多くあります。

定期的にレントゲン検査や、歯周ポケットの深さを測る「プロ―ビング」と呼ばれる検査を実施して、歯の状態を確認してもらうようにしましょう。

また、歯垢や歯石が歯周病を引き起こす最大の原因なので、きちんと歯磨きを行なって、口腔内を清潔に保つだけでなく、すでに蓄積してしまった歯石などを除去する必要もあります。

歯石は通常の歯磨きでは除去できないので、スケーラーと呼ばれる器具を用いて除去する必要がありますが、先端が尖った器具で危険を伴うため、全身麻酔をかけて行なう必要があります。

老犬などで全身麻酔を行うことにリスクがある場合、無麻酔でのスケーリングを行なっている動物病院もあります。しかし、動かないように犬を押さえつけて実施するために、顎の骨が外れたり、腰部のヘルニアになってしまうという事故もあるようです。

麻酔をかけない状態でのスケーリングだと、歯石を完全には除去できない場合も多く、歯周ポケット内の処置を行うこともできません。双方のリスクを考慮した上で、どんな方法で歯石を除去するのが望ましいのかは、獣医師としっかり相談することをお勧めします。

2.腎臓病

The saline subcutaneously to dogs. The dog kidney disease

腎臓病とは、腎臓の基本的な機能をつかさどっている「ネフロン」が損傷することによって、腎臓の機能が悪くなる病気のことです。シニア期のワンちゃんに多く見られる病気で、進行してしまうと死にいたることのある怖い病気です。

腎臓はソラマメのような形状をした器官で、犬の腎臓も人間と同様、左右に一つずつあります。腎臓には、老廃物を除去したり、尿を生成したりする働きがあります。また、体内の水分量や電解質を調整する働きがあります。

また、必要なホルモンを分泌する役割もあります。例えば、血液を作りだすのに必要な「エリスロポエチン」と呼ばれるホルモンを分泌します。また、骨や歯を強くするために、カルシウムの吸収を促す「活性型ビタミンD」というホルモンも作っています。

腎臓は一度破壊されると、再生することが不可能な臓器なので、次第に悪化していきます。腎臓の75%以上を失った状態のことを「腎不全」と呼びます。腎不全には、「急性腎不全」と「慢性腎不全」の2種類があります。

しかし、腎臓には多くの余剰能力があるので、多くの腎臓を失っても、異変が表れない場合が多く、症状に気付いた時には、手遅れになってしまうケースも少なくありません。

腎臓病の原因は

急性腎不全と、慢性腎不全では、症状も原因も異なります。急性腎不全を引き起こす原因には、3つの要因が挙げられます。

まず、腎臓に流れ込む血液量が減少することが原因で、腎臓がうまく尿を生成できずに急性腎不全を発症する可能性があります。

また、誤って鉛を含んだ塗料などを舐めてしまったり、人間の薬を誤飲したりして、中毒症状によって腎臓に急激なダメージが生じて発症するケースもあります。

さらに、「尿路結石」や「膀胱破裂」などの下部尿路に問題を抱えると、上手に尿を排泄できなくなるので、腎臓に尿が溜まってしまい、急性腎不全になってしまうという場合もあります。

慢性腎不全の場合、徐々に時間をかけて機能が低下します。「糸球体腎炎」や「腎臓腫瘍」、「遺伝性の腎臓病」などの、腎臓病が引き金となって、発症するケースが多くあります。また、急性腎不全から慢性腎不全に移行する場合もあります。

また、加齢によって徐々に腎臓の機能が弱ってしまうことや、塩分やタンパク質を過剰に摂取する食事を続けているなど、偏った食習慣を続けていることが、慢性腎不全を発症する原因になる場合もあります。

腎臓病を発症すると

悲しそうなワンコ

腎臓病になると、体内の毒素を排出することが難しくなるので、体内に毒素が蓄積してしまい、「アンモニア」のような口臭が表れます。

元気がなくなり、被毛がパサパサするなど毛並みが悪くなります。また、下痢や嘔吐などの症状が出現し、脱水状態に陥ります。食欲や運動量が低下して、あまり動きたがらなくなります。

急性腎不全の場合、ほとんど排尿しなくなるのに対し、慢性腎不全の場合には、薄い尿を頻繁に行なうようになります。

また、慢性腎不全の場合には、体重が減少して痩せて行ったり、異常に水分を摂取するようになることもあります。

腎臓病の治療法について

一度、損傷した腎臓の機能は回復しないので、予防することがとても大切な病気です。日頃からバランスの良い食事を与えることを心がけましょう。

また、早期発見して少しでも腎臓の機能を温存することができるように、定期的に血液検査などを受けるようにしましょう。また、日頃から排尿の回数や色、尿量を確認する習慣を身につけるようにしましょう。

急性腎不全を発症した場合、尿毒症に陥っている可能性が高いので、緊急治療を行う必要があります。輸液療法や体内に蓄積してしまった毒素を排出させる治療が必要になります。

慢性腎不全を発症している場合には、基本的に食事療法が行なわれます。タンパク質やリン、ナトリウムなどを制限した療法食を給餌します。また、新鮮な水をいつでも摂取できるようにしてあげる必要があります。

また、必要に応じて高血圧などの腎臓への負担を軽減するために、「ACE阻害薬」などを利用した投薬治療を行う場合もあります。

3.肝臓病

Possible localization of pain or problems in liver. Doctor or teacher of medical University or school points to anatomical location of pain in 3D model of liver. Concept for hepatic diagnostics

犬の肝臓病には、肝炎(肝臓が炎症を起こした状態)や、肝硬変(肝臓が正常に機能しなくなった状態)などがあります。

肝臓には、摂取した栄養素を臓器や血液に適した形に変換して、体が吸収できるようにする働きがあります。また、消化をサポートしたり、血液を作りだす役割があります。

加えて、タンパク質を分解した時に発生する「アンモニア」を分解して無毒化するなど、体内の有害物質を解毒して、体外に排出できるようにする働きも担っています。

肝臓病の原因は

犬の肝臓病には、主に4つの原因が関係していると言われています。まず、遺伝的な要因が考えられます。例えば、ある主の犬は、銅を適切に排除できずに「銅蓄積性肝臓病」を発症しやすいと言われています。

また、先天的に肝臓病を患っているケースもあります。「門脈体循環シャント」は、血管の奇形によって、肝臓を通らずにアンモニアなどの有毒物質が体内を循環してしまう病気です。「ヨークシャテリア」や「シーズー」などの小型犬が先天的に発症しやすいようです。

さらに、薬物や毒物を摂取してしまい中毒症状によって発症する場合や、ウイスルや細菌などの感染症によって発病するケースもあります。

肝臓病を発症すると

肝臓病は、初期症状が表れにくいので、早期発見が難しい病気の一つです。肝臓病の初期症状としては、食欲が低下したり、水分を摂取する量が増えることがあげられます。

また、頻尿になったり、おしっこの色が濃くなる場合もあります。軟便や灰色の便を排泄するようになります。

肝臓の機能が低下すると、代謝にも影響が及ぶので、肝臓で毒素を分解することが難しくなります。体内に「アンモニア」などが分解されずに蓄積されやすくなるので、腎臓病と同じように、アンモニア臭を伴った口臭が発生する場合があります。

肝臓病の治療法について

肝臓病に対する治療としては、基本的に症状を緩和してコントロールするための対処療法が行なわれます。

「コルチコステロイド」を使用して肝臓の炎症を減少させたり、「ネオマイシン」などの抗生物質を使用して、アンモニア暴露量を軽減させる投薬治療が行なわれることもあります。

食欲の低下に伴って栄養不足に陥らないように、高エネルギーで脂肪分の多い食事を与える必要があります。また、消化に良い炭水化物をしようしたフードを選ぶことも効果的です。

日頃から愛犬の体調を確認し、定期的に血液検査や画像診断などの実施して、肝臓の数値に異常がないか確認するようにしましょう。

まとめ

飼い主の愛情

口臭は愛犬とのスキンシップを妨げるだけでなく、ワンちゃんの健康状態を把握する点でも、飼い主にとって大切な情報源になっています。

犬だから多少の口臭がするのは当然と考えずに、ワンちゃんの口臭に変化がないか、時々チェックするようにしましょう。

そして、急に口臭が強くなったり、臭いに変化が生じた場合には、大きな病気のサインである可能性があるので、動物病院で検査を行うようにしましょう。

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